😈英語のイディオム解説:「Devil’s advocate(わざと反対意見を述べる人)」
- Myva
- 3 日前
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🔍意味
「Devil’s advocate(悪魔の代弁者)」は、議論や考察を深めるために、あえて反対意見を述べる人/わざと異論を唱える人という意味の表現です。
これは、本心で反対しているわけではなく、あくまで議論のバランスや視点を広げるために行うものです。
日本語にすると、
「あえて異を唱える人」
「反対意見を投げかける役割の人」
「(建設的な)反論役」というような表現が近いです。
🧭語源・由来
この表現の語源は、カトリック教会の伝統的な制度に由来します。中世から近代にかけて、誰かを「聖人」に認定する際、教会はその人物の人生を慎重に調査しました。
そのとき、意図的にその人の欠点や問題点を指摘する役割として任命された人物がいて、その役職の名前がまさに:
“Advocatus Diaboli(ラテン語)=悪魔の代弁者”
つまり、その人物は「その人は本当に聖人にふさわしいのか?」という立場から反論する役目を担っていたのです。
そこから現代英語においても、「あえて反対の立場から意見を述べる人」を “devil’s advocate” と呼ぶようになりました。
🗣なぜ英語話者はこの表現を使うの?
この表現は、議論や意思決定の場面で、
思いつかなかったリスクに気づく
他の視点を取り入れる
感情や偏見ではなく論理的に考えるといった目的で使われます。
つまり、「悪口を言う」や「敵意を持って反対する」という意味ではなく、建設的で前向きな意見交換のために使われることが多いのです。
💬例文
Let me play devil’s advocate for a moment—what if this plan actually backfires?
(ちょっと悪魔の代弁者を演じさせて:もしこの計画が裏目に出たらどうする?)
I don’t really believe that, but I’m just being a devil’s advocate to test your idea.
(本当にそう思っているわけじゃないけど、君のアイデアを検証するためにあえて反対してるんだ。)
We need someone to be the devil’s advocate and challenge our assumptions.
(誰かに悪魔の代弁者になってもらって、我々の思い込みを問い直す必要がある。)
📝まとめ
項目 | 内容 |
フレーズ | Devil’s advocate |
意味 | あえて反対意見を述べる人/異なる視点を投げかける役割 |
日本語訳例 | 建設的な反論役、反対側の視点を提示する人 |
由来 | カトリック教会で聖人認定の際に設けられた役職「悪魔の代弁者」から |
使用場面 | 議論、意思決定、リスク分析、教育、ディベートなど |
💡ポイント
「Devil’s advocate」は本心で反対しているわけではないことが重要なポイントです。
実際に「play devil’s advocate(悪魔の代弁者を演じる)」という動詞フレーズで使われることも非常に多いです。
チームやグループディスカッションでは、「わざと反対意見を言う」ことで思考の幅が広がります。
🇯🇵日本人学習者へのアドバイス
日本の会議文化では、波風を立てないように本音を言いづらい雰囲気があるかもしれません。しかし英語圏では、「Devil’s advocate」として反対意見を述べることは、歓迎される建設的な役割とみなされます。
議論の中で、「私は必ずしもこう思っているわけではないけれど、別の角度から見てみましょう」と言いたいときは:
“Let me play devil’s advocate for a second.”(ちょっとだけ別の立場で話してみます。)
という前置きがとても効果的です。
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